第1回ゆに句会から

ゆに句会の第1回(8月)を開催しました。夏雲システムによる会員限定のウェブ句会で、2題×2句を投句のうえ、互選を行いました。作品はもちろんですが、選句とともに寄せられたコメントも多彩で、川柳を読み解く楽しさを感じる内容でした。
今回の題は「響」と「ほぐす」です。人気句を抜粋し紹介します。

「響」

晩鐘が響く私の西の耳   妙

ずるいひと音叉を持ったまま消えた   藤田めぐみ

猜疑心止むことのなし鹿威し   昌善
 
リンゲルの雫コンコンチキチン   河村啓子

遠花火ごめんなさいがぱっと散る   川田由紀子

まだ胸に音楽室のきみがいる   本海万里絵

「ほぐす」

ほぐしたら出てくる副詞形容詞   平尾正人

美しくほぐされてゆく父の骨   笠嶋恵美子

どことなくほぐれて翁できあがる   阿川マサコ

ほぐれたら鳥になりたい毛糸玉   黒川佳津子

卵白のきしみほぐして君とまた   海野エリー

ほぐしたりするから赤い糸になる   飛伝応

夜をほぐす月に気づかれないように   西田雅子