【話題の本】
『アンブレイカブル』
柳 広司

『アンブレイカブル』 柳 広司 (角川書店 2021年)

「罪は捜すな、仕立て上げろ

1925年、治安維持法成立。太平洋戦争の軍靴の響きが迫るなか、罪状捏造に走る官憲と信念を貫く男たちとの闘いが始まった‥‥」(帯文より)

作家・小林多喜二、川柳作家・鶴彬、編集者・和田喜太郎、哲学者・三木清。4人のアンブレイカブル、すなわち「敗れざる者たち」をテーマとした連作短編集。ミステリー仕立ての4編が、実にリアルにスリリングにそれぞれの闘いに迫ります。

今年1月の発行以来、さまざまに話題を呼んでいる本書。鶴彬編では、川柳の本質について触れられているのも注目です。
ところで9月14日は鶴彬の命日。その作品は、今も強靭に存在感を放ち続けています。
〈手と足をもいだ丸太にしてかへし  鶴彬〉