コスモスをほったらかしにして帰る
西田雅子
あらあら、あんなにさわさわ引き留めているのに。
まだ何か言いたげなのに。
それでも主人公はあっさり背を向ける。
ちょっと怒っている? 退屈した?
なぜ帰るのかは語られていない。
「ほったらかし」という言葉によって、
コスモスに寂しみのある親しみをおぼえる。
私はなぜかこの場を立ち去りがたい。
遠ざかる背中を見送りながら、なおコスモスの景にいる。
本作は、西田雅子の句集『そらいろの空』(ふらんす堂 2025)から。
小鳥くるやることリストぶら下げて
新しい坂を栞にしておこう
花野という大きな息の中にいる
さよならが今満開で満月で
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