転勤を機に眼鏡を丹塗りした
きゅういち
眼鏡を買い替えた、ではなく、丹塗りした。
その物々しい飛躍に、可笑しみと説得力がある。
転勤は単なる転勤か、はたまた栄転か、左遷か。
とまれ、まるで鳥居や社寺のように
眼鏡を丹塗りしようというのだから、
きっと何か思うところ、
そして自身に期するところがあるのだろう。
あの朱色には、魔を払う力もあるとか。
いいな、丹塗りフレーム。
カッコいいし、私も欲しい。
今日から九月。
こんな一句を口ずさみながら、
カレンダーをぴりりとめくる。
（川柳カード叢書①『ほぼむほん』 きゅういち
／川柳カード 2014）
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