親指に蝶々結びしてあげる
小池正博
いくつもの読みも、考察も誘う句。
両者の関係性も、状況も、考えるほどにナゾが深まる。
ところで先週、話題のTVドラマ「Tシャツが乾くまで」が最終回を迎えた。
たまたま第1回から見始めて、いきなり惹き込まれ、
最後までハラハラしながら見終えたのだけれど、
SNSでは今もさまざまな考察が続いている。
近年、「考察もの」がドラマ界の一つのトレンドだという。
しかし「考察」という言葉自体も多義的で、
・推理
・解釈
・深読み
・妄想に近い仮説
同じように近年、難解系といわれる川柳にも、
考察という楽しみ方があるようだ。
さて作品。
親指に蝶々結びをして「あげる」のが誰なのか、
そこにどんな感情が流れているのか。
優しさか、お節介か、支配欲か、それとも。
私は、こういわれた側の立場で読んだ。
嬉しい。けれど戸惑う。そしてなんだか落ち着かない。
この句には別れのフラグが立っている。
それは私の深読みなのか、妄想なのか。
(「川柳スパイラル」27号 2026年7月)
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