第12回「ゆにゼミ」レポート

名曲からあふれる極上の物語。

ジャズ鑑賞の新しい扉を開く

熱いひとときでした。

9月5日(土)、ジャズピアニストであり、ジャズ理論・歴史の研究家でもある田村文利さんをお迎えして、第12回ゆにゼミ「ジャズのことば」を開催しました。講演では、ピアノ演奏と名盤のCD再生を交え、田村さんの熱い語り口でジャズの世界へとご案内いただきました。
1曲目は、スタンダード・ナンバー「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(Fly Me to the Moon)」。もともとは3拍子のバラードだったという曲の成り立ちから始まり、ブレンダ・リーの歌を聴きながら、女性の恋心あふれる歌詞の内容と韻の魅力を学んだ後、ナット・キング・コールとジョージ・シアリングの名演を鑑賞。歌の本編(コーラス)に入る前につけられた導入部(ヴァース)も含めて、じっくり堪能しました。
さらに同じ曲でも、フランク・シナトラがビッグバンドとともに歌うと、まったく違う印象に。天才ボーカリスト、フランク・シナトラの歌唱力、クインシー・ジョーンズの繊細なアレンジ、音数を極限まで減らすというカウント・ベイシー楽団の美学など、ジャズ鑑賞の奥深さに惹き込まれました。
続いてもう一曲、同じくスタンダード・ナンバー「ミスティ(Misty)」を題材に、ジューン・クリスティの歌を聴きながら、歌詞の素晴らしさや味わい方などを教えていただきました。
ジャズはクラシックと違い、同じ曲でも楽譜通りではなく、自分流に演奏できるのが魅力だそう。「いつも喋り過ぎてしまって‥」と謙遜されていた田村さんですが、ジャズ愛に満ちたお話は聞くほどに面白く、その熱量に圧倒されるばかり。講演の後、参加者からの「後日、お勧め名盤リストを教えてほしい」というリクエストにも快く応じてくださり、極上のジャズ時間は心地よい余韻を残して幕を閉じました。

※田村さんのライブ情報などを紹介するブログ「田村文利新聞」はこちら