2月4日は立春。立春(リッシュン)ということばには、身も心も引き締まるような感じの響きがある。明るく光に満ちた春はもうすぐ。
立春の意味が「春が立つ日」の「春立」でなく、「立春」なのは、古代中国で考案された二十四節気に由来している。二十四節気とは、季節を表す言葉として用いられていて、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。
古代中国では、季節や星の巡りは王が支配し、王の宣言によって国民に知らされるものだったため、王が「春を立てる」ということで、「立春」となったといわれている。そういえば、「立春(リッシュン)」には偉そうな響きもあるような。
「立」に「始まる」の意味のある「立春」は、旧暦では新しい年の始まりとされて、とても大切にされていた。まだまだ冷たく凛とした空気の中の立春は、元旦と同じように「いろいろなことを一度まっさらにして新しく始める」そんな節目に合っている。
春の始まりの立春から、2月19日の「雨水」、3月5日の「啓蟄」、そして3月21日春の中間「春分」へと、春は徐々に深まってゆく。
立春の雨のたとえば応挙の絵 笹田かなえ