「飴(あめ)」という言葉は、「あまい(甘い)」の語幹「あま」から転じて生まれたとされている。
飴は古く中国から伝わったといわれ、『日本書紀』の「神武紀」には、神武天皇が大和の国を平定した際に、飴を作ったという記述が見られる。少なくとも720年以前には存在していたことになる。
当時の飴は、固形の飴玉ではなく、水飴のようなとろりとしたものだったと考えられている。また、飴は嗜好品というよりも、料理に甘みを添えるための貴重な甘味料だった。
古い記録には、飴を作ることで武力を使わずに国を治めることができる、という興味深い話も残っている。
室町時代になると砂糖が輸入され始めるが、それは依然として高級品で、庶民の手にはなかなか届かなかった。
やがて江戸時代に入ると、固形の飴が広まり、砂糖も高価ながら次第に流通するようになる。色とりどりの飴玉や、長寿を願う千歳飴、職人の技が光る飴細工などが売られるようになる。
あなたには空のあわいを飴にして 下野みかも
ゆに2026年2月会員作品より

