Vol. 142 籠

 「籠(かご)」は竹,蔓,木の小枝,針金などを編んでつくられた入れ物。読みの「かご」は定かではないが,飛鳥・奈良時代に「こ」とよばれていた。「か」は竹の意とも、堅の意ともいわれ,「こ」に形容的に付いている。また,「構籠(かきご)」や「囲む」の略義とする説もある。

 「籠」の字は、「竹」の象形と、「つめこむ」「中に籠(こ)める、家に籠(こ)もる」の意味がある「龍」から成り立ち、「ものを詰め込む竹かご」という漢字ができた。

 また、龍は細長いものを意味しているため、竹を使用してその様な形に編んだかごを表現した結果、生まれた漢字であるともいわれている。

 雨が降ると一気に伸びる生命力のある竹と、水によって勢いを増すエネルギーの象徴である龍の字からできている「籠」。なにやら、籠が神々しく見えてくる。

  冬へ落ちてきた人を通草(あけび)の籠に入れ  峯 裕見子