花が笑い、笑顔の咲く季節、到来!
「咲」の元の字は「笑」。「笑」は、巫女が両手を上げて舞い踊る形をあらわしていて、神を楽しませるための動作。花びらがひらくことを「さく」というが、古くは「花開く「花披く」と表記していた。
「咲」を「花がさく」の意味に使うようになったのは、花のひらく様子を、人の口元がほころび、笑っている様子にたとえられたからとされている。
また、「咲く」の読みの「サク」という言葉は、古代日本の言葉「さく(爽く)」から派生している。「爽く」は、風が心地よく吹くさまや、清らかな様子を表す言葉で、後にこれが花が美しく開花する様子を表現する言葉の読みとしても使われるようになった。
日本では古くから花が咲くことへ、敬意や感謝の気持ちが込められてきた。花や自然を詠んだ和歌や俳句などで「咲く」という言葉が多く使われ、日本人の心に深く刻まれた言葉のひとつである。
いっせいに桜が咲いている ひどい 松木 秀