鯉(コイ)は流れが緩やかな川や池などに生息する淡水魚である。
「コイ」の語源に、「コイ=恋」という説がある。日本書紀に、その昔、景行天皇がある美しい女性を見初めて求婚したところ、彼女は恥らって身を隠してしまったため、彼女の気を引くため、天皇は池に鯉を放した。鯉の泳ぐ姿を見たくて、そっと見にきた彼女に求婚したという伝説から「コヒ」と呼ぶようになったといわれている。
また、「コイ」の語源は、体が肥えていること、または味が肥えていることに由来するという[説もある。
漢字の「鯉」のつくり「里」には「ウロコ」や「筋」の意味があり、鯉はウロコが発達して筋目がはっきり見える魚だったので、この字が当てられたという説。
鯉の身に36枚の鱗があることから、36町は1里に相当するので「里」を用いたとする説も。
ちなみに、鯉のぼりを立て、武者人形を飾る習慣は江戸時代になってからで、日本独特のもの。鯉のぼりはもともと、武士が出陣の際に用いる幟旗(のぼりばた)だった。出陣の他、男の子が生まれるとこれを立て、その誕生を祝うようになった。庶民に幟旗は許されていなかったので、代わりに鯉のぼりが登場した。
苦しくて鯉は大きな月を吐く 古谷恭一