側転で自信回復帰り道
四ツ屋いずみ
ひとりの帰り道。
学校でいろいろあったのかな。
側転はひそかな得意ワザなんだろう。
誰もみていないから
こそっと一回転をキメて自信回復
・・という、キュンで、
ある意味ノーマルな想像に落ち着く前に
実は私の脳内に映し出されたのは
びゅんびゅん側転しっぱなしで帰っていくという
マンガみたいな一シーン。
いやもうこれがすっかりツボにハマってしまって
イェーイ、おーい、と
主人公を小走りで追いかけるのも楽しくて。
ちなみに主人公は子どもとは限らず
会社帰りの大人かもしれないし、
はたまた、珍しくワルモノに負けてしまった
戦隊ヒーローだったりもするかもしれない。
ともあれ、バク転でなく、側転という
難度低めが絶妙。
親近感がわいて、そのココロの凹みにも
その凹みを一人で回復させる過程にも
うんうんとうなずくうちに、
こちらもちょっぴり自信回復。
(「水脈」第67号/川柳グループ水脈 2024年8月)
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