今日の一句 #677

試着室保護色はもう選ばない
真島久美子


シャッとカーテンを開けて
試着室から出て来た主人公の顔が晴れやかだ。

本作、保護色という表現がユニーク。
つまり、自分に似合う似合わない以前に
身につければたちまち個性を消し、
どんな周囲にも溶け込んで、
目立たず、傷つけられにくい服は
確かに自身を守ってもきてくれたけれど
「もう選ばない」。
これからは、自分の好きな色で生きていくって、
シンプルに清々しいなあ。


出典は、ゆに会員の真島久美子さんが
今年の春に発行した第一句集『恋文』。


 帆を上げるように付け睫毛が動く
 エコノミー席で探しているラピュタ
 追伸の先には抜けるような青

ページのところどころからも
抜けるような青がのぞいて。


(『恋文』真島久美子 私家版 2024年)


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