家出してやる添乗員付きの
浮 千草
衝撃の家出宣言!! からの展開に思わずアハハ。
ちょっと字足らずなのも
テンションの上がりようや愛嬌を感じさせる。
この状況、家族もきっと慣れたもので
「今度はどこなんだろうねえ」
「ハイハイ気をつけてね」なんて。
行き先もさほどたいそうではなくて、
たとえばお得なバスツアー。
今なら、イチゴ狩り食べ放題に筍弁当付きとか、
お花見しながら川クルーズとか。
って、おっと、これは私の願望でした。笑
とまれ、のどかに
ふと家出ごころ、旅ごころを誘われる。
さて、本作も収録されている
浮 千草さんの句集『夢をみるところ』には
パンケーキみたいにユーモアふっくら、
それでいて噛みしめるほどに滋味深い句が、
いつもほわほわ湯気を立てている。
振り出しに戻ってさくらまたさくら
おばさんにはなったが大人とも言えず
母というピサの斜塔を遠巻きに
(句集『夢をみるところ』 浮 千草
あざみエージェント 2009年）
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