Vol. 219 犬

日本人は縄文時代から犬を飼っていて、縄文時代に作られた犬のお墓が見つかっている。狩猟犬として飼われ、人間の生活に欠かせない存在だった。

イヌの語源は多くある。
・「イヌ」の「イ」は「イへ ( 家 ) 」の意味で、「ヌ」は助詞。
・「イヌ ( 寝ぬ ) 」の意味や、「家で寝る」の意味で「イヌル」の略。
・犬が吠えて威嚇すると、敵は逃げるように立ち去るので、「イヌ ( 往ぬ・去ぬ ) 」。
・犬は人懐こいので、邪魔になる事もあったようで、追い払うために、「あっちへ行け」という意味で、「往ね ( いね ) 」と追い払っていた。
・「唸る」の古語「イナル」の語幹「イナ」の転じたもの。
・江戸時代よりずっと以前には、犬の鳴き声を「インイン」と表していたようで、「インイン」から「イン」→「イヌ」に。

漢字の「犬」は、犬が耳を立てた状態を表している象形文字。

  犬小屋の中に入ってゆく鎖 徳永政二