昔の日本では、五十音の並びといえば「あいうえお順」ではなく、「いろはにほへと」―そう、「いろは歌」の順番が主流。江戸時代の火消し組も「いろは四十七組」、戦前の戸籍や書類も項目を「い・ろ・は」で分けていた。
ところが明治時代、尋常小学校の教科書に「読書 ( よみかき ) 入門書」として「あいうえお順」が登場!一気にこちらがスタンダードになる。
実はこの「あいうえお」、ルーツは古代インドの梵語 ( サンスクリット語 ) 。母音は「ア・イ・ウ」の三角形に「エ・オ」が加わる形。子音の「あかさたな」は喉の奥 ( たとえば k ) から、唇に向かう発音 ( たとえば p ) の順番。
梵字に対する音韻については、平安時代には研究されていて、江戸時代の国学者・本居宣長が今の形の五十音図(縦五段横十行に配列した表)として確定した。
「いろは順」から「あいうえお順」に転換された理由として
・音の配列が規則的で科学的!
・「いろは」にある仏教色が、国家神道路線の明治政府には合わなかった…?
とか。
五十音順にどこかへ呼ばれてく 浪越靖政