今日の一句 #737

似顔絵を描くと抽象画になれた
千島鉄男


自画像というほどたいそうなものでもなく、
気軽な似顔絵。
きっと絵を描くのが好きな人で、
ノートの余白にも、つい手が動いて、
ときには自分の顔もさらさらと。

その似顔絵が、ついぞ抽象画に。
“なった”ではなく、“なれた”が可笑しい。

人生の深く刻まれた顔を描いてみれば
もはやわかる人にしかわからない、

けれど、これはこれでなかなかの現代アートかも?
そんな開き直りにも似たユーモアになごむ。

さて作者の千島鉄男氏は、
出典である「川柳林檎」発行人。
発行所の弘前川柳社は、
1935年(昭和10)に初代主幹を成田我洲氏として創立された。
「川柳林檎」は昨年11月に600号を迎え、
川柳王国青森を拠点に、
長く親しまれ続けている。

(「川柳林檎」601号 弘前川柳社 2026年1月号)
 

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