「光」という漢字から、つい「明るさ」や「輝き」を思い浮かべるが、この文字が表していたのは、光そのものではなく、「火を掲げて周囲を照らす」という一つの動作そのものを描いたのが「光」の原型。
古代文字の「光」は、跪いた人の頭上に大きな火が描かれた姿である。暗闇の中で火を高く掲げ、人々の行く先を照らす様子が、そのまま文字になった。
「光」という字には、「火」と「人(儿)」が組み合わされており、火を扱う聖職者の姿を表しているとも考えられている。
火の発見は、人類の歴史を大きく変えた出来事だった。寒さをしのぎ、食べ物を調理し、夜の闇を照らす火は、古代の人々にとって単なる道具ではなく、神から授けられたような神聖な存在。そのため、「光」という文字にも、火への畏敬の念が込められている。
「光」の文字には、暗闇を照らそうと火を掲げた人の姿と、火を神聖なものとした古代の人々の心が、静かに息づいているようである。
お別れに光の缶詰を開ける 松岡瑞枝
※目の不調のため、「コトノハららら」をしばらくお休みさせていただきます。

