今日の一句 #761

一粒のキャラメル君がふと近い
今井和子


ふと近い、って。
それは心の距離なのかな。


一粒のキャラメルをあげる、あるいはもらう。
そんなささやかが、
ふと親しみを灯すことがある。


一方、その「君」は今ここではなく、
どこか遠くにいるようにも思える。


一粒のキャラメルを口にして、
ふと、あの頃の君を懐かしんでいるんじゃないかと。


郷愁がゆっくりとろける甘いひととき。
作品も穏やかにやわらかで口どけがよく、
後味は、ほのかにせつない。


 つじつまが合って袋に入れている
 流されていつも自分に引っかかる
 ざわざわと帰ったあとの金魚鉢


(句集『象と出会って』 今井和子
 あざみエージェント 2014)

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