コロナも少し落ち着き、川柳の句会、大会も徐々に再開されてきた。以前、ある句会で、消しゴムを持っていくのを忘れてしまった。消しゴムは地味な存在ながら、句会のときは、マストアイテムの1つ。
小学生の頃、女子の間で香りのついた消しゴムを集めるのが流行っていた。友だち同士自慢し合ったり、交換したり…。フルーツやチョコレートの香りのついた消しゴムは、きれいに文字を消せなかったけれど。
消しゴムは、従来は天然ゴムが主成分だったため、消しゴムと呼ばれているが、60年程前に、より消去性に優れたプラスチック製が開発され、今はそちらが主流。「字消し」とも呼ばれる。
消しゴムの思い出は、ほかにも。中学生の時、消しゴムを忘れてしまったことがあり、授業中、たまたま1本あった、鉛筆の頭についている消しゴムで消していた。けれど、消したあとがきたなく残り、紙もヨレヨレに。そのとき、隣りの子が、自分の消しゴムを二つに折って、そっと渡してくれた。なんて、やさしい!
蝶が来るこの消しゴムを動かしに 倉本朝世