改めて「意志」にアイロンかけている 畑山美幸
改めて、である。
さらに「意志」にはカギカッコがついている。
アイロンをかけ慣れた手つきに、
いつもとは違う気合が感じられる。
着古すうちに、つい雑な扱いになっていた意志。
スチームかけて、糊をきかせて、
今一度、一張羅のシャツのように
パリッとよみがえらせようという。
そしてほんと、よみがえってゆく!
みるみる、とはいかなくも、少しずつ。
その過程が見ていて気持ちいい。
本作、ごく私的な再スタートが、
ごく日常の行為をもって表現されている。
が、丁寧なことば選びとユーモアをもって、
作品にも、きちんとアイロンがかかっている。
(「川柳びわこ」2021年11月号/びわこ番傘川柳会)
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