今日の一句 #534

マツコの知らないしんのすけの世界   須藤しんのすけ

ご存じ、人気トークバラエティの「マツコの知らない世界」。
毎回さまざまなジャンルのゲストが登場して、
その魅力をマニアックにマツコにプレゼンする、
かの番組のタイトルをもじっての1句ですね。


一見、一発狙いのような句は、
まこと一本背負い投げのごとく見事にキマって、
こちらはアイタタタと大笑い。


さて、この「しんのすけ」は動くか?
否、字面からして「マツコ」のカタカナと
「しんのすけ」のひらがなの対峙感も絶妙です。


もっとも、番組においては、
マツコは一般大衆の代表という立ち位置でもあり
もしかしたら「しんのすけの世界」は
ごく身近な人にすらよく知られていないのかも。

と思うと、本作のユーモアがふっとせつなさも醸し出して
いっそう惹きつけられます。

この回、ほんとに実現しないかな。



(アンソロジー『精鋭作家川柳選集 北海道・東北編』
/新葉館出版 2020)  

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