今日の一句 #536

まいどーとやってきたのは春の風   峯 裕見子

はい、はい、まいどー。
久しぶりやねー、
と、迎え入れるこちらも思わず笑顔。


この「まいどー」はやっぱり関西弁のイントネーションが
一番ぴったりくる感じ。


春の風は、懐かしの御用聞きさんみたいに、
あちこちをもれなく訪れながら、
樹々を芽吹かせ、花を咲かせ、山をも笑わせてゆく。
長らく閉ざしていた心の扉もひょいと開かせたり。


まったくエラそうやなく、

エラいことを次々にやってのけてくれているなあ。
ちゃんと、今年も。


さても、春風のセリフが「まいどー」と
ユーモラスに”川柳訳”されたことで

今日吹く風も、いっそう親しみをもって感じられる。


(「川柳びわこ」第706号/びわこ番傘川柳会 2022年4月)

  

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