まいどーとやってきたのは春の風 峯 裕見子
はい、はい、まいどー。
久しぶりやねー、
と、迎え入れるこちらも思わず笑顔。
この「まいどー」はやっぱり関西弁のイントネーションが
一番ぴったりくる感じ。
春の風は、懐かしの御用聞きさんみたいに、
あちこちをもれなく訪れながら、
樹々を芽吹かせ、花を咲かせ、山をも笑わせてゆく。
長らく閉ざしていた心の扉もひょいと開かせたり。
まったくエラそうやなく、
エラいことを次々にやってのけてくれているなあ。
ちゃんと、今年も。
さても、春風のセリフが「まいどー」と
ユーモラスに”川柳訳”されたことで
今日吹く風も、いっそう親しみをもって感じられる。
(「川柳びわこ」第706号/びわこ番傘川柳会 2022年4月)
過去ログはこちらから▶