Vol. 69 ウエハース

 ウエハース、好き?と聞かれたら、きらいではないけれど、すごく好きというわけでもなく…。サクッと軽い感触は好きだけど、口の中の上部にペタッと張りつくあの感じはちょっと苦手。

 ウエハースは焼き菓子の一種で、英語ウェイファー(wafer)に複数形を示すsがついたもの。語源的には、ゴーフルやワッフルの親戚にあたり、「網目状の菓子」「蜂の巣状の菓子」を意味する。焼き目が蜂の巣状であることから名づけられたようだ。

 中世のオランダ、ベルギー、北ドイツなどから、イギリスへ伝わり、イギリスでは、宗教儀礼や、消化がいいことから子供や病人のための食べ物とされていたが、17世紀には街中で売られるようになった。

 日本では、明治時代、パリの国際食品万博で有名になり、日本でも紹介されて、菓子メーカーが売り出したのがはじまり。

 ウエハースはわき役として、よくアイスクリームに添えられてあるが、それはアイスクリームが冷たくて舌の感覚がなくなり、おいしさを感じなくなるときに、ウエハースを食べることで、舌の感覚をリセットして、美味しく食べられるようになるから、とのこと。

  空に満月くちびるにウエハース  なかはられいこ