今日の一句 #635

偉いなあロールキャベツの爪楊枝
杉山昌善


この句をぽっと思い返すたび、
ロールキャベツが食べたくなる。
といっても、ふだんはうちで作ることも外で食べることもほぼない。
つまり苦手ではないけれど好物でもないロールキャベツが、
昌善氏の句の浮かぶ一瞬だけは
なぜか大好きメニューとなる不思議現象。


さても、偉いなあ、の大袈裟な物言いが
くすっと可笑しくて可愛げがある。
川柳は天下国家や宇宙も詠めるけれど
爪楊枝が堂々と主役になることもできる。
また、この爪楊枝の縁の下の力持ち的な働きに
作者が自身を重ねているようでもあり、
ロールキャベツにはペーソスの味も
じんわり沁み込んでいて。


杉山昌善氏は元・時実新子主宰「川柳大学」編集委員で
現在、現代川柳「かもめ舎」編集委員、「ゆに」会員。


そして先般、氏の監修による川柳入門書の
新装改訂版が刊行されて、ただいま絶賛発売中。
タイトルも
「川柳入門  表現のコツ50 新装改訂版 楽しくもっと上達できる」。
川柳の歴史や基本用語もおさえつつ

上達のコツがとてもわかりやすく楽しく解説されていて、
2013年の初版以来のロングセラー。
掲句を含む杉山氏の代表作をはじめ
たくさんの例句も収録された
初心の方にもベテランにも

ぜひぜひ、のおすすめの一冊です。

(「『川柳入門  表現のコツ50 新装改訂版 楽しくもっと上達できる』
 杉山昌善 監修/メイツ出版 2023)

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