串カツの串だがプライドは太い
奥田悦生
串も真っ直ぐなら句も真っ直ぐ。
この串カツがとっても旨そうで
その旨さを下支えしている串の
プライドの太さにも心意気にも頷ける。
「だが」はともするとリクツに陥り
使い方要注意の接続詞ながら、
本作では、ちょっとこてっとしたソースのごとく
「串カツ」とマッチ。
句またがりにも、まさに貫いている感がある。
昨今、あまりに複雑怪奇なニュースばかりで
掲句の真っ直ぐ、一徹、気取らないユーモアに
ほっと息をつかせてもらった。
出典は弘前川柳社の「川柳 林檎」最新号。
主幹は千島鉄男さんで、
毎号の巻頭言もひょうひょうと味わい深い。
知れば知るほど遠かった桃の位置 鳴海賢治
骨休めさぁ真っ白になりましょう 田中 薫
不要不急ネコに教わることばかり にじの真美
帰宅した影に引っ掻き傷がある 千島鉄男
(「川柳 林檎」No.594/弘前川柳社 2024年11月)
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