Vol. 6 おひとりさま

 「おひとりさまですか。」と聞かれてから、席に通される。若い頃、一人で喫茶店に入り、どきどきしながら「コーヒー」と注文して、ブラックで飲む。大人の階段を一つ昇った。

 「おひとりさま」の意味が変わってきて、20年ほど前、「おひとりさま」という同名著書が出版された。そこでの、おひとりさまは、精神的に自立している大人の女性のこと。結婚には目もくれず、仕事一途の女性ではなく、仕事も、自分だけの時間も大切、かつ家族との時間も充実させることができる、ゆとりのあるしなやかな女性を指す。必ずしも、独身女性だけではない。

 十数年前には「おひとりさまの老後」がベストセラーとなり、高齢で独身女性の寂しいイメージをがらりと変え、さらに進化した「おひとりさま」に。女性だけでなく、男性にも(働いていなくても)使われるポジティブな「おひとりさま」になった。おひとりさまは、奥が深い。まだまだ更新されていく。

  綾取りも出来る一人で生きられる  真島久美子