ある日突然、目に飛び込んできた川柳。それまでは、気にも留めていなかった新聞の文芸欄。そこには、十数句の川柳が並んでいて、一句ずつそれぞれの世界をもって、そこに存在していた。
五七五、これって、私に丁度いいサイズ!と直感的に思った。
子供の頃から、小さいものが好きで、子供の手のひらに載るくらいの大きさのもの、たとえば、ミニチュアの家やテーブルや椅子、お皿やティーカップ等、並べ替えては、私だけの世界の中で遊んでいた。
川柳との出会いは、ミニチュアの世界をもらったようだった。五七五の器にことばを入れると、あいまいでぼんやりしていたものが、輪郭を持ったり、逆に輪郭のあったものが、かたちのないものになったりと、不思議な現象が起こる。ミニチュアの私の世界ができ上がる。そんな不思議な魅力を持つ川柳に、もっと出会いたい…。
イツカワタクシヲタベツクスコトバ 内田真理子