なぜあんなことをしたのだろう文字起こす
川合大祐
記憶の音声を文字起こししているのだろうか。
そしてこの一句そのものが、
まるで一字も落とさないように
忠実に文字起こししているようにも思える。
なぜあんなことをしたのだろう、の
答えにちゃんとたどりつけるように。
だから中七が、かの「中八」を超えて中九。
しかしそれがかえって味となり、
不器用に一生懸命考えている様子とも重なって、
本作にちょっとせつないような
シンパシーを抱かせる。
出典は川合大祐氏の新刊
『ザ・ブック・オブ・ザ・リバー』。
「リバー」シリーズの完結編で
「異次元の2025句」が収録されている。
ブックデザインも含めて
ほとばしるものがあり、
これは句集を手にした者だけが享受できる熱量。
フーダニットの針が挿さってゆく水風船
東山動物園をだす被告
詩ではない詩ではない詩を油蟬
しりとりがひたすら目指す鬼子母神
探偵が探偵団をおとす穴
(『ザ・ブック・オブ・ザ・リバー』 川合大祐
書肆侃侃房 2025年)
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