頬杖をついて博物誌の厚さ 古谷恭一
博物誌。
まずこの一語が魅力的だ。
手元の辞書で確かめると
「自然界の事物・現象を総合的に記述した書」。
また書名として別項目を設け、
「古代ローマの理科全書。大プリニウス著。
七七年、完成。全三七巻。
当時の博物学の集大成で、総項目数は二万。」
とも。
いずれであれ、博物誌の厚さが
森羅万象の果てしなさを物語る。
はたして一生の間に
この何ページ分ほどを
知り得ることができるのか。
と、頬杖をつく主人公につられて
私もまた頬杖をついている。
けれど、暑苦しい現実から逃避して
書の外へも広がる
圧倒的な未知やはるかへ
思いをはせるひとときは涼しい。
(『セレクション柳人 古谷恭一集』/邑書林)
過去ログはこちらから▶