• 2026年 3月 31日
  • 「第56回 ゆに句会」の人気句です。 ゆに句会

①うやむや

 

百年も聞かされている保留音

下野みかも

 

告白はいつでも消せるボールペン

杉山昌善

 

そのうちに無くなっている角砂糖

重森恒雄

 

うやむやが黒板消しで広がった

島貫麻衣子

 

あるはずの僕のプリンを探しても

伊藤良彦

 

うやむやのままでひとつになっている

藤山竜骨

 

言い訳の語尾を泳いでいるグレー

桂 晶月

 

レモン一滴曖昧模糊の真ん中へ

西田雅子

 

目配せの飛び交っている木の芽和

芳賀博子

 

影だけを先に許して帰宅する

稲葉良岩

 

〆のラーメン結局今日は何だった

小原由佳

 

②硝子

 

それぞれの景色を抱いて散る硝子

西田雅子

 

拡大鏡ちょっといい事ありまして

川田由紀子

 

天窓にコトリと触れる宇宙音

黒田弥生

 

水槽の金魚に指図されている

森 廣子

 

春隣ガラス一枚割ろうかな

石野りこ

 

少年のキャッチボールを待つ硝子

島貫麻衣子