今日の一句 #748

子を抱いて総身のすくむ角力取
古川柳


少しローカルをドライブすると
新緑の風に鯉のぼりが威勢よく泳いでいて、
郷愁をそそられる。


そんな折、こんな一句を思いだした。
『古川柳と子供』(多田光 私家版/発行年不明)に紹介されている句で、
初出は『誹風柳多留』六篇。


著者・多田光さんの解釈があたたかく、
そのまま引用させていただくと、


「何十貫もの相手力士すらつり上げる大関でも、
 小さくやわらかい子を
 いためまいとして気をつかうのである。
 大きな体でおどおどするから
 余計に目立つわけだろう。」


ほんに「総身(そうみ)のすくむ」が可笑しく、微笑ましい。
こんな句もある。


 関取に赤子をだかせ大笑い (六篇)


一方、こんな句も。


 かるがると赤子をだいてしかられる (二十二篇)
 手のひらへ赤子をのせてしかられる (七篇)


「これはふつうの人だろう。
 いいかげんに抱きあげたのである。」
と、多田さん。


江戸の人たちと、くすっと共笑いしながら、
ごくごくシンプルに、子どもたちの未来が
明るい方へ開けていくようにと願う。

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