子を抱いて総身のすくむ角力取
古川柳
少しローカルをドライブすると
新緑の風に鯉のぼりが威勢よく泳いでいて、
郷愁をそそられる。
そんな折、こんな一句を思いだした。
『古川柳と子供』(多田光 私家版/発行年不明)に紹介されている句で、
初出は『誹風柳多留』六篇。
著者・多田光さんの解釈があたたかく、
そのまま引用させていただくと、
「何十貫もの相手力士すらつり上げる大関でも、
小さくやわらかい子を
いためまいとして気をつかうのである。
大きな体でおどおどするから
余計に目立つわけだろう。」
ほんに「総身(そうみ)のすくむ」が可笑しく、微笑ましい。
こんな句もある。
関取に赤子をだかせ大笑い (六篇)
一方、こんな句も。
かるがると赤子をだいてしかられる (二十二篇)
手のひらへ赤子をのせてしかられる (七篇)
「これはふつうの人だろう。
いいかげんに抱きあげたのである。」
と、多田さん。
江戸の人たちと、くすっと共笑いしながら、
ごくごくシンプルに、子どもたちの未来が
明るい方へ開けていくようにと願う。
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