今日の一句 #763

水たまり雨の祭りの祭り後
笹田かなえ


せっかくの祭りは、あいにくの雨に見舞われた。
大変だったろうなあ。
運営側も参加側も。
みんな雨に濡れながら、あたふた、ばたばた。
それでも、そんな雨も含めて、今年の祭りもまた、
やっぱりみんなを笑顔にしたのだろう。


「雨の祭り」と「祭り後」の連なりが、
 イベントの熱と静けさをひと息でつなぎ、
うっすら“あとの祭り”の気配も漂って。


水たまりが、安堵や虚脱をたたえながら、
今朝の青空を映している。


通りすがりの旅人のような気持ちで

水たまりを見つめながら、句の余韻を味わう。

出典は『青森縣川柳年鑑 ねぶた』の最新版。
2026年 第7集となる本書には、
196名の10句が収録され、年鑑ならではの、
作者それぞれの「今」が息づいている。


 着席は終着駅のひとつ前    伊藤良彦
 行間を詰める追伸書きたくて  菊池 京
 ブラウスに合わせて爪を海にする  菊池向日葵
 隠れ家は大字小字星の下    濱山哲也
 道行の相手は薬莢の香り    藤田めぐみ

 っぽくなった っぽい匂いの中にいて 守田啓子

(『青森縣川柳年鑑 ねぶた 2026年(第7集)』
  青森県川柳連盟 2026年) 

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