「美味いよ」とつぶやくぼくのラヴ・ソング 髙瀨霜石
パートナーの手料理に「美味いよ」とつぶやく。
長年食べ慣れた
きんぴらごぼうや、煮っころがしや
ハンバーグやカレーや、卵焼きにも、ごくさりげなく
「美味いよ」。
とは、たったひと言にして、
なんと極上のラヴソングだろう。
アイシテル、なんて今さら
面と向かって言う方も言われる方も照れくさいけど、
やっぱりちゃんと愛は伝えなきゃ。
そして気もつかわなきゃ、である。
ほのぼのハッピーなラヴソング。
けれどかすかに♭(フラット)を帯びているあたりが
むしろユーモラスに響いて
やっぱりあたたかい一句。
(東奥文芸叢書
髙瀨霜石句集『無印笑品』/東奥日報社)
※「芳賀博子の川柳模様」で連載している「はがろぐ」を
こちらでもご覧いただけるようになりました。
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