友達が少ないなりの呼吸法
小原由佳
コミュニケーション能力に長けて、
いつも周囲を笑顔にするタイプ、
とは違うから、友達も少ない。
でも友達は数じゃないし、
って気づいたのはいつだろう。
以来、いろいろ足掻きながら
ふっと会得した自分なりの呼吸法で、
これからも、この息苦しい世も、
なんとかまあ、機嫌よく生きてく。
そんなマイ心意気が清々しい。
「呼吸法」というちょっと大層な物言いもユーモアを醸しだし、
この句を読むだけで、ちょっと息がラクになるよう。
本作は、ゆに会員 小原由佳さんの新刊『反対側の窓』から引きました。
句歴二十余年、ファン待望の第一川柳句集です。
泣き虫になった 地球の影響で
千羽鶴今日で解散してもらう
たましいの入れ替え夜のマニキュア
働いたお金と走る自転車で
ただ一つあの日が晴れであったこと
くすっと笑えて、沁みいって。
慌ただしい日々に、つい忘れがちな大切な何かを
思い出させてくれる句集です。
装幀家 濱崎実幸さんによる装幀も美しく、
お手元でぜひ。
(句集『反対側の窓』小原由佳/青磁社 2022)
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