この人も前世は蛇か目の配り
梅崎流青
この人も前世は蛇か、
を受けて「目の配り」。
あっと、この下五にシビれた。
たとえば「目の光り」あたりならば
ただのスケッチにとどまり、凡。
しかし「目の配り」の目には
知をはじめ、歳月に培われた
およそ一筋縄ではいかない
さまざまが宿っている。
また、本作の奥深さは
蛇を正か邪のどちらとも決めつけず
ニュートラルに表現されていること。
実際そのどちらか一方ではなく
清濁併せ吞みながら、周囲の、社会の、隅々にまで目を配り
いざとなれば・・
さても「この人も」の「も」。
「も」には主体も含まれていそうであり、
もしやあなたも。
(「川柳葦群」第70号 2024年7月)
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