今日の一句 #678

四字熟語背負ったままで会いにくる
浪越靖政


あ、会いにくるんだ。
来てくれるんだ。
一読、なぜか困ったとはまったく思わず

私まで単純に嬉しくなってしまった。

さてどんな四字熟語なんだろう。
「背負った」の一語から、
一意専心、熟慮断行、初志貫徹、質実剛健などなど、
つい重量感のあるひたむき系が浮かぶ。


そしてやってくるのは、たとえば積年の友。
もしや「他力本願」?な主人公とは
対照的な生真面目な性格なのに
なぜかウマが合って、友情を重ねてきた。


友は今も信条を曲げずで、
その変わらなさが、懐かしいけれど
会うなり、どさっと背の荷をおろして
自分の前ではほがらかに寛いでくれたりもするのかも。


本作、「会いにくる」までの距離や歳月にも
想像がふくらみ、「合縁奇縁」なんて熟語とも
やわらかに結びつく。


ところで今年もいよいよ残りわずかとなりました。
年末年始は9連休にする企業も多いそうで
家族や友人とゆったり再会される方も多いことでしょう。

今年も「はがろぐ」にお付き合いいただき、
ありがとうございました。
どうぞお体大切に、良いお年をお迎えください。


(川柳作家ベストコレクション
『浪越靖政 旧姓で呼ぶと振り向くキタキツネ』
浪越靖政/新葉館出版 2018)

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