Vol. 246 鶴

鶴という鳥は、昔から人の目を引きつけてきた。すらりとした脚、長い首、そして空へ向かってまっすぐに飛び立つ姿。その印象は、文字の成り立ちにも表れている。日本を代表する鳥で、日本航空のシンボルマークにもなっている。

鶴は古代中国の伝説では仙界に棲む鳥とされた。吉祥と長寿の象徴で、古来より高位高官の身に着ける装飾品に用いられた。日本でも鶴は霊鳥とされ、長寿につながる象徴とされてきた。

「鶴」という漢字は古代中国に起源を持ち、「隺」と「鳥」を合わせた会意兼形声文字。「隺」は、はるか遠くを示し、高く飛ぶ小鳥の形からできた字で、そこに「鳥」が加わることで、声も飛び方も高く、天にまで届くような鳥を表わす。

日本語の「ツル」は、古代の言葉「タヅ」に由来するといわれる。「立つ」や「飛び立つ」を意味する語で、静かに立つ姿や、すっと空へ上がっていく様子からきている。

また「ツル」という語源については

  • 朝鮮語 turumi と同源。
  • 鳴き声「クルル」の響きが「ツル」に転じた。
  • 多くが連なって飛ぶから。→ つるんで飛ぶ。→「ツル」
  • 大きな鳥なので「すぐれている」→「すぐる」→「ツル」
    等、諸説ある。

ちなみに、「鶴」は英語ではcraneといい、建設現場等で重い荷物を吊り上げたり、移動させたりするクレーンの語源になった。

 鶴は折りたたまれて一輪挿しに 飯島章友