このままでいいんだ路線図も君も 北村幸子
街が変わっていく。
路線も増えて便利になって。
カラフルで複雑になる一方の路線図を眺めながら
だけど、もう、
このまま、今のままがいいと願っている。
のどかで、無邪気で、笑顔が素敵な君のことも。
さて本作は、先般、
京都を拠点とする「川柳グループ草原」の主催した
「第1回草原賞」誌上大会の入選句。
題は「ややこしい」。
ということで、題詠としての発想や落とし込みも秀逸ながら
題を外しても、キュンとせつないポップスのよう。
作者の北村幸子さんは
この大会で見事最高得点を獲得し、
「第1回草原賞」を受賞。
他の題の入選句はたとえば
題「身内」
2メートル空けても叔母の静電気
題「日本」
生きて死ぬだけと杜若の背筋
北村幸子さんは元「川柳大学」会員で、
現在「びわこ番傘川柳会」所属。
発表される作品は、雑詠でも題詠でも、
生き生きとした川柳味がたっぷりで、
私もその「おもしろ」のファンの一人です。
(「川柳草原」No.116 2021年7月号/川柳グループ草原)
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「はがろぐ」500回を迎えました。
作品を引用させていただいた作者の方々、
ご訪問くださっている皆さま、
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