第1回「ゆにゼミ」レポート

画面いっぱいに参加者の笑顔が並びました。

8月22日(日)、第1回ゆにゼミを無事に開催しました。定刻の14時に向けて、参加者のみなさんが続々と画面上に集合。取材のためにご参加くださった月刊『川柳マガジン』の方も加え、イベントがスタートしました。

第1部は、読売テレビ報道局専任部長で、『現代用語の基礎知識』執筆委員も務める、道浦俊彦さんの講演。ちょうど「24時間テレビ」の放映中で、道浦さんも番組のチャリTシャツを着て、にこやかにご登場。報道の最前線で37年間、ずっとことばを見つめてきた経験を踏まえ、多彩なお話を聞かせてくださいました。たとえば、時代とともに変わる日本語のアクセント、コロナ禍であふれるカタカナ語、ジェンダーに関わる表現の変化など、興味深いお話が次々と飛び出し、すっかり魅了されました。

第2部は、お楽しみの句会。題「変わる」で事前に投句していただいた中から、芳賀博子と山崎夫美子が心に響いた句を厳選。画面共有で一つひとつの作品を紹介しながら、目と耳で味わっていただきました。締めくくりに、道浦さんをはじめ、参加者のみなさん全員が感想を一言ずつ。なかには「川柳は初めて」という方もおられ、新鮮な感想をいただきました。何よりも、全国各地のみなさんの笑顔が画面にずらっと並んだのは、Zoomならではの醍醐味。ほっとするような温かい雰囲気につつまれた2時間でした。

当日発表された入選句と、軸吟(選者作品)を掲載します。
◆山崎夫美子 選
 
貼り紙がやがて景色に変わってく 小原由佳
黒コロナ白オリンピック夏オセロ 森平洋子
海亀が、解・体・さ・れ・て・い・く「世界」 千春
猫だったかしら ふいにいなくなり 伊藤こうか
痛いとこ転々とする金平糖
 
特選
私まだ飛び出す絵本にもなれる 藤田めぐみ
 
軸吟 失速のカモメそろそろ変声期 山崎夫美子
 
◆芳賀博子 選
 
生まれ変わっても道頓堀の蝉 岡谷 樹
窓側をゲット海の子にもどる 弘津秋の子
命日やお弁当箱変える朝 朝倉晴美
解釈が変わって好かれ始めてる 小原由佳
海亀が、解・体・さ・れ・て・い・く「世界」 千春
 
特選
ハーレーを降りいにしえのレース編む 北川清子
 
軸吟 これからのなにがなんやらすいっちょん 芳賀博子