いつどこで見ようが俺の月である むさし
俳句の世界では、月は秋の季語。
なんてことを知ったのは
川柳を始めてからだ。
手元の歳時記には
「月は四季それぞれの趣があるが、
月のさやけさ、月の清さは秋にきわまるので、
単に月といえば秋の月をさす」とある。
けれど「俺」の辞書によれば
「単に月といえば俺の月をさす」のだろう。
この「俺」なる人称が
くふっと大人のヤンチャ感を醸し出し
強気だか弱気なんだか、
本作をとても人懐こいものにしている。
ちなみに今年の十五夜は9月21日だそう。
晴れていれば、俺の月も
きっといっそう輝く。
(句集『亀裂』 むさし/東奥日報社)
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