今日の一句 #505

いつどこで見ようが俺の月である  むさし



俳句の世界では、月は秋の季語。
なんてことを知ったのは
川柳を始めてからだ。


手元の歳時記には
「月は四季それぞれの趣があるが、
月のさやけさ、月の清さは秋にきわまるので、
単に月といえば秋の月をさす」とある。


けれど「俺」の辞書によれば

「単に月といえば俺の月をさす」のだろう。

この「俺」なる人称が

くふっと大人のヤンチャ感を醸し出し
強気だか弱気なんだか、
本作をとても人懐こいものにしている。


ちなみに今年の十五夜は9月21日だそう。
晴れていれば、俺の月も
きっといっそう輝く。

(句集『亀裂』 むさし/東奥日報社)







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