沖縄の海と言えば、青い海に白い砂浜、渚には宝石のような貝殻やシーグラス…。ところが、沖縄や奄美の海と浜辺が一夜にして、灰色に。クラゲの大群でも、プラスチックごみが押し寄せてきたわけでもなく、それはなんと、大量の軽石!
この8月、小笠原諸島の海底火山が噴火。膨大な軽石が噴出して、海流に乗って2か月。1000㎞以上離れた沖縄北部の海岸に漂着した。今回の噴火は、日本列島全体でも100年に1度くらいの大量マグマが噴出した噴火で、その量は数億トンという富士山の宝永噴火に匹敵するほどらしい。軽石はいずれは沈むらしいが、いつになるか見当がつかないとか。
「渚」の字の右の、土、ノ、日、の3つを分けると、「日」は神様への祈りに使う器「口」に手紙を入れた状態を表し、「ノ」は木の枝。渚は、(神への)手紙を置いた器を、木の枝や土で埋めたなだらかな神聖な水際、ということになる。海と陸のあわいにある神秘。
空から郵便夫が降りてくる 渚 吉田健治