星を抱き星に濡れてるカメレオン 葉 閑女
星明りにぐっしょりのカメレオンもまた、
瞬きながら星の色。
からだはやがて透きとおり
抱いているひと粒のキラリまで見えてくる。
きれいきれいと見つめていたら
いつしかカメレオンの隣りに並び、
一緒にさみしい、一緒にシアワセ。
そんな今日の句は、
今年6月に発行された青森県川柳連盟の
「青森縣川柳年鑑ねぶた 2021年(第2集)」より引く。
理事長の髙瀨霜石さん、事務局長の濱山哲也さんが中心となり
2021年度版には176名が参加。
超結社での1人10句や県内結社の各賞の記録などを収載し、
アンソロジーとして、また重ねゆく記録誌として
「川柳王国」青森の熱量が感じられる1冊。
何もない暮らしがあったすこし前 岩崎眞里子
さよならが象形文字で来る ズルい 菊池 京
異常気象もう廻れない花時計 工藤青夏
抜けた歯は屋根に 故郷は秋の色 滋野さち
ラスベガス万才 IR反対 髙瀨霜石
前のめりしたときオヤジギャグが出た 千島鉄男
寝転んでちょっぴり墓石の気分 野沢省悟
真っすぐな人が持ってる地平線 濱山哲也
雪崩れるのだろうか彼方からフーガ 藤田めぐみ
逢えぬなら花の咲く日をずらします 守田啓子
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