第2回「ゆにゼミ」レポート

笑ったり、学んだり、話したり、
盛りだくさんの2時間でした。

11月27日(土)、「落語のことば」をテーマに、第2回ゆにゼミを開催しました。今回は、全国各地はもちろん、はるばるブラジルからもご参加いただき、海を越えて、ことばでつながることができました。

第1部は、笑福亭智丸さんによる落語と講演会。落語「大名将棋」では、お殿様の無茶ぶりに大笑い。続いて、詩人でもある智丸さんが、独自の視点で落語と文学の相性について解説。「落語は想像力、会話、笑いの芸であり、詩歌や川柳などにも近いところがある」との考察は、短詩を嗜む者にとって示唆に富むものでした。

第2部は句会。智丸さんと西田雅子の共選で、事前に投句いただいた作品(題:歯)から入選句が披講されました。画面に映し出された入選句は、いずれも個性豊かな力作ぞろい。選者二人の「いい句が多くて、厳選」のコメントにも納得で、大いに盛り上がりました。

最後に、皆さんから感想を一言ずついただき、定刻の16時をやや過ぎて終了。多くの方々と双方向でつながり、笑いと学びにあふれる時間を過ごすことができました。

当日発表された入選句と、軸吟(選者作品)を掲載します。
◆笑福亭智丸 選
 
透きとおる白を基調にした入れ歯 工藤 惠
のこぎりの歯からうっすら針葉樹 山崎夫美子
暗殺をされてもわからない歯医者 藤田めぐみ
財産は奥歯に詰めてあった金 藤山竜骨
象の牙残る実家が売れました 川田由紀子
カバ笑うインプラントをちらつかせ 藤山竜骨
鍵盤へ月光カピバラの前歯 斉尾くにこ
   
特選
親知らず抜歯 なんだかボンジュール 澤野優美子
 
軸吟 歯を浮かせた分だけ黒々と塗る 笑福亭智丸
   
◆西田雅子 選
 
日本燃えて燃えて燃えてすきっ歯 河野潤々
ぐらぐらと失言続く永久歯 小原由佳
こども病院歯磨きコップもお昼寝中 朝倉晴美
夢なども食ってたような歯の化石 芳賀博子
のこぎりの歯からうっすら針葉樹 山崎夫美子
甘噛みのリズムでゆっくりとひらく 藤田めぐみ
歯固めやベートーベンの交響曲 河村啓子
   
特選
象の牙残る実家が売れました 川田由紀子
 
軸吟 美しい歯形がならぶ秋日和 西田雅子