Vol. 30 聖 夜

 聖夜とは、キリストが生まれた夜を指すが、もともとキリストが生まれる以前から、ローマでは、冬至を境に、短くなっていた昼が再び長くなり、太陽の光が蘇る日として、12月25日が祝われていた。

 キリストの正確な誕生日は不明である。273年、当時のローマ皇帝が、12月25日を太陽神の誕生日と定め、キリストは、「世の光」と呼ばれていたことから、教会で、この祭日をキリストの誕生を祝う日と定めた。

 ユダヤ暦では、日没が日付の変わり目としているので、クリスマス・イブの夜からクリスマスが始まっている。現代のクリスマス・イブを聖夜と呼ぶのはあくまで呼称。

 日本では、キリスト教を広めたフランシスコ・ザビエルにより、12月25日をクリスマスとして、祝う日となる。

 現代のように、キリスト教徒でない人たちの間にクリスマスが広がったのは、明治後期になってからで、正岡子規の俳句に「くりすます」という単語が初めて登場する。
 私の中の聖夜は、山下達郎の「クリスマス・イブ」かな。♪ …Silent night,Holy night…♪

  プチプチの息の根止めてゆく聖夜   北村幸子
  来年もたぶん何かを待つ聖夜     古俣麻子
  聖夜なり 愛しき日々を樹に吊るす  杉山夕祈

 Merry Chiristmas !