屠蘇の虎横の縞から笑い出す 大野風柳
「柳都」2022年1月号。
表紙をひらくや、虎が飛び出してきた。
主幹の1句が、自らの筆で
墨痕鮮やかに書かれている。
句の初出は1986年(昭和61)の寅年で、
『底本大野風柳句集』にも収載されている。
この虎。まずは顔あたりの横縞をゆるめ、
やがて胴の縦縞までぶるんぶるるんと
揺れるほどの笑いで、
令和4年の邪気も豪快に祓ってくれるよう。
ところで本日1月6日は大野風柳さんのお誕生日。
満94歳になられた。
新潟を拠点に20歳で「柳都川柳会(現・柳都川柳社)」を立ち上げ、
「柳都」を創刊。
以来、創立主幹として、
月刊で発行し続ける「柳都」は通巻877号!
改めて、す、すごい。
本号では「第17回大野風柳賞」の発表もあり、
米山明日歌さんが以下の5句で受賞。
もうだれも覗いてくれぬ水たまり
濡れた手で幸せつかむ癖がある
もう白にもどれぬ白をぬりたくる
ありあまる闇に蛍が来てくれた
独りにもなれて真水がぬるくなる
賞は主幹お一人で審査され、
今回は全国から100名の応募があったそう。
総評は「川柳の力を改めて受止めました。」
と力強く結ばれている。
まこと晴れやかな「柳都」新年号。
巻頭の虎と再び向き合い、活を入れていただく。
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