夕陽ポトン坂の途中の貯金箱
岩崎眞里子
黄金色の夕陽がポトン。
落ちゆく先は坂の途中の貯金箱。
今日も一日がんばった自分へのご褒美だ。
一日一日を、大事に生きて
こつこつ溜める夕陽貯金。
いつか、何かとってもいいことに使おう。
出典は、今年5月に青森県川柳連盟より発行された
「青森縣川柳年鑑ねぶた 2022年(第3集)」。
発行人は髙瀨霜石さん。
編集委員は、濱山哲也さん、熊谷冬鼓さん、守田啓子さん。
「川柳王国」青森発のアンソロジー第3弾には
昨年を上回る190名が参加し、
1人10句に加え、県内の大会記録や
さらに今回は「青森県川柳連盟 特別賞」受賞の
「北野岸柳」特集と、今年も読みごたえ満点。
竹輪から命の音が聞こえない 伊藤良彦
紋白蝶の軌跡どおりに雨が止む 菊池 京
退屈は楽しまなくちゃ茄子のヘタ 熊谷冬鼓
流木に腰を下ろしてまだ九月 笹田かなえ
碁石置く友よ独りになったのか 滋野さち
グリーン車に乗ると天国近くなる 髙瀨霜石
ボランティア終わり乾電池に戻る 月波与生
消毒液少し無明を消しながら 野沢省悟
グループラインいまだにつづく縄電車 濱山哲也
はらほろりん家族写真という記号 藤田めぐみ
私のくぼみに蛍群れている 守田啓子
(『青森縣川柳年鑑ねぶた 2022年(第3集)』
青森県川柳連盟 2022)
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