Vol. 67 霜取り

 今では、冷蔵庫内、冷凍庫内に霜が固まりになってびっしり、なんてことはないが、おぼろな記憶の中では、見たことがあるような気がする。冷蔵庫には自動霜取り機能というものがあるものと、ないものがある。

 冷蔵庫の歴史の始まりは、1803年、アメリカで「氷を利用して冷蔵する道具」がつくられ、これを「refrigerator(冷蔵庫)」と名づけたことが始まり。その後、圧縮型の製氷機が作られ、この製氷機が冷蔵庫の前身となる。さらに、家庭用の電気冷蔵庫が開発され、一般家庭に普及しはじめた。

 日本では、海外からの輸入により、電気冷蔵庫の歴史は始まり、国産の家庭用電気冷蔵庫は、1930年初登場。1950年代後半、高度経済成長期に入った日本では、三種の神器(白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫)の1つと呼ばれ、爆発的に普及する。

 1962年にはフリーザー付きの冷凍冷蔵庫が発売され、冷凍食品が家庭でも保存できるようになり、やがて、自動霜取り機能付きの2ドア式冷凍冷蔵庫が一般化する。

 1980、90年代からはマルチドア化して野菜室、製氷機、チルド室(氷温室)、脱臭や急速冷凍などの機能がつき、多様化・進化してゆく。

  お別れと霜取りはもう自動的  小原由佳