目覚めては困るどんぐりが一個
野沢省悟
どれどれ、どのどんぐりが?
あ、この子かな。
さて、目覚めるにもいろいろあって
詩や文学に目覚めるというもあれば、
性に、政治に、投資に、とか。
あるいは、単純に眠りからかもしれないけれど、
なぜ、目覚めては困るんだろう。
確かに、目覚めてしまったが最後
ころころ、ころころ、意気揚々と
手の届かないところへ旅立ってしまいそう。
かつての主人公と同じように。
ん、今、どんぐりが動いた?
(『東奥文芸叢書 川柳7 60』
野沢省悟/東奥日報社 2014)
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