Vol. 100 髷

 髷(まげ)は、髪を束ねたり結ったりして頭頂にもとどり(髪を頭上に集め束ねた所)をかたどった、日本の伝統的髪型。髷の形により、男髷、女髷、島田髷等40以上ある。

 現在、戦国から江戸時代の男性の髷を総称して「ちょんまげ」と呼んでいるが、もともとの「丁髷(ちょんまげ)」は、数ある髷の中の一種類。しかも、老いて髪が薄くなり、頭頂部に載せた髷の部分が「ゝ(ちょん)」としか出てないことを揶揄して「ゝ髷(ちょんまげ)」と言ったことが語源。

 男子は古代から頭に冠や烏帽子を着用するのが一般的であり、その中に髪を纏めて入れたため、髪を纏めたのが髷の原型。古代には冠などの中に入れるため、髷を上に立てていた。

 中世に入り、武士の世の中になり、兜をかぶったときに熱く蒸れるため、通気性をよくするために、頭頂部の髪を剃っていた。次第に君主のために戦う武士の誇りの象徴となり、一般市民にも波及。さまざまなスタイルの丁髷が作られるようになった。

 丁髷は明治4年(1871)断髪令が出たのち廃れ、現在では力士などが結うだけとなっている。

  髷を切る時代は変わったんだから  芳賀博子